オーボエ奏者・藤井貴宏 オフィシャルブログ Grüß Gott aus Bayern!

音楽&ビールの街・ドイツはミュンヘンから、再びバイエルンの田舎にお引っ越し♪自然の中で生活しながら音楽や日々の話題を中心に掲載中です☆

3.11 

東日本大震災から10年目の今日、日本時間の14:46に合わせて鎮魂の願い、そして復興の願いを込めて家族で手を合わせました。少年に黙祷を捧げる意味を問われ、その意味を改めて話す朝でした。

 

地震による被害、津波による被害、原子力発電所爆発による被害、様々な被害があった中で私自身は津波の被災地の復興を目にしてきました。

 

震災後数度、石巻や大船渡、陸前高田といった津波の被災地へ縁あって訪れることが出来ました。行くたびに瓦礫が撤去され更地になり、建物が立っていく風景はとても変化が大きかったように感じます。何時も地元の方に良くしていただき、そして例えばご家族が津波の犠牲になってしまった遺族の方など、当地の方は震災の話を包み隠さずそのまま語ってくださるその姿にいつも頭が下がる思いでした。

 

その度に感じたのが復興=時間の流れと震災遺構を始めとすると爪痕=心の記憶、というズレともいえる葛藤のような気持ちでした。

 

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被災地は訪れるたびに姿を変え、復興という名の通り変化をしていきます。被害があったのかと思わせるほどに綺麗に整備された土地、建物、先人がそうであったように人知を持ってもとに戻っていく様子が見て取れます。

 


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一方で被害の爪痕、それは遺族をはじめ未だに元の家に戻れない方など、今現在も続く苦しみ、心の爪痕と重なります。あの時のまま時間が進まないその場の空気を感じながら見る風景、寂しさや悲しさという形容ではおさまらない心に穴が開いてしまったような虚無感をいつも感じます。

 


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何が出来るわけではないのですが、この葛藤に似た気持ちがこれから先も続いていく、これが現在という歴史の中で生きているということなのでしょうか。私もこの気持ちを持ちながらこれからの10年を過ごして行きたいと思います。

 

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美しい自然、美味な食べ物、そして暖かな人が暮らす三陸沿岸。コロナで旅行が難しい世の中ですが、終息した後に多くの方に訪れていただきたいなと願っています。勿論、私も再び足を運びたいと思っています。


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犠牲になられた方の鎮魂、そして被災地のさらなる復興を心から祈ります。


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