オーボエ奏者・藤井貴宏 オフィシャルブログ Grüß Gott aus Bayern!

音楽&ビールの街・ドイツはミュンヘンから、再びバイエルンの田舎にお引っ越し♪自然の中で生活しながら音楽や日々の話題を中心に掲載中です☆

帰国前に………

今回は特に長かった日本滞在。沢山の方にお世話になって、何時もながら有り難い限りです。ありがとうございました。 

全ての予定が終わったあと一日だけ滞在を延ばして、私の静養地、八重山諸島に浮かぶ黒島へ行ってきました。生憎、今季一番の寒気か入っている真最中、最高気温が15度に届かないような寒さ。それでも飛行機を降りればそこは沖縄、時間軸の流れが突然ゆっくりになります。

 

一昨年から来始めた石垣。最近おじゃましている「のりば食堂」へ。

 


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この名前、昔ここが「バスのりば」だったからこの名前になったのだとか。女将さんもすっかり顔を覚えてくださって親戚のおばちゃんのところにご飯を食べに来た感じ。午前から一人貸し切りのよう。この時期しか食べられない採れたての青のりを使ったアーサーそばをいただきました。一口入れればホッとするこの感じ、染み渡ります。



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黒島へ渡る船、偶然いつもお世話になるお宿の主人と一緒になり、ジェットコースターのように揺れる船に乗ること30分、黒島に到着です。女将さんがお迎えに来てくださって、握手する手と黒島の空気を吸っただけでスイッチはオフ。海は荒れていても美しさは変わりません。



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特に観光をするわけでもなく、宿でお昼寝をして散歩をして。先ずは何時の一杯を。

 



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夕飯になったら皆で一緒に食べてそのまま「ゆんたく」。この日は半年前に知り合った薬品会社の方と再び会うという奇跡。そして将来の医療を担うお医者さんの卵がお二人、突然に決定していらした旅好きの女性二人というお客様。泡盛を一杯ずつ飲みながら自己紹介。

 



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宿の主人が三線を弾きながら歌ってくださる音楽を聞きながら、泡盛をいただく、そしてあれやこれやと皆で語るこの時間が本当に素晴らしいのです。初対面なのに語る語る、すすっかり仲良くなります、なんて素敵!

 


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翌日は皆さんを港に送りに行ったあと、新しく入らした若者と一緒に島巡り。商店のおばちゃんには「今日は家族一緒じゃないんだね。また皆で来てね」と言ってもらったり、宿の皆さんも皆親戚のよう。



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若者の話を聞けば色々苦労があった様子。その方の話を自分に置き換えてその人の気持ちになってみたり。ここに来なければ絶対会わなかったかもしれない、たまたま知り合ったその方は歌の世界にも行こうとした方で親近感もあったり。午後いっぱい話してましたが足りませんでした。面白いな。

若者に「オーボエ吹いてくれませんか?」とのことで、宿の庭先で。オーナーご夫妻やお孫ちゃんの前でゆるりと演奏。




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その昔オーボエの道に進もうと思った最終的な理由、それは死ぬ事についてどう捉えるかを中学生ながらに毎晩考えていたとき、師匠から「目指すなら芸大だね」という突然の言葉、「演奏することでその人が元気になってくれるのなら、自分の生きていた証を残せるかも」と思いこのみちを決めたことを思い出しました。演奏会を聴きに来たわけでもなく、演奏をするような場所でもないかもしれないけれど、ポッと演奏したら「綺麗な音!」と感動してくださる、ある意味この姿は原点かもしれません。そんな事を思わせてくださった皆様にも感謝。

 

美しいとしか言いようがない色。これを見るだけで充電できます。



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滞在は僅か28時間程ですが、とっても長くてゆっくりと過ごした素敵な時間でした。全ての出会いに感謝。