オーボエ奏者・藤井貴宏 オフィシャルブログ Grüß Gott aus Bayern!

音楽&ビールの街・ドイツはミュンヘンから、再びバイエルンの田舎にお引っ越し♪自然の中で生活しながら音楽や日々の話題を中心に掲載中です☆

ドイツレクイエム

昨日から本格的な冬シーズンに突入したバイエルンです。
そんな中、先週末の金曜日から日曜日まで、再びプリーンでの演奏会でした。
尊敬する音楽家の一人、R.シュッツさん率いる合唱団とのブラームス作曲・ドイツレクイエムの演奏会。昨日はちょうどTotensonntag=死者をしのんで静かにする日。演奏会も始まりは拍手は無く厳かな中で大変な緊張感の中すすめられました。一言でいうなら「感動」した演奏会でした。


何度となく演奏させていただいているマリア昇天教会。それほど大きな教会ではないですが、装飾と絵画がすばらしく、またオルガン、そして響きが良い教会です。




金曜から土曜にかけては、夜遅くのリハーサル、そして朝早くからのリハーサルということでキムゼ―のほとりに初めて宿泊してみました。静かでそしてどことなく懐かしい雰囲気が流れるこの土地、いるだけで癒されます。

土曜の朝はこれから寒くなるという前の最後の温かさ、秋の終わりを告げる朝焼けです。





家族もシュッツさんとのドイツレクイエムがぜひ聞きたい!ということで、二週連続で家族でプチ旅行にしました。ホテルのロビーは早くもクリスマスの飾りつけ。電車が動くということで、少年凝視して動きません(笑)




リハーサルからとても素晴らしいもので、特に合唱団は格別。ドイツ語のテキストということもあり、今まで以上に一語一語の意味を調べ考えリハーサルに臨んだのですが、そのうえで聴くドイツ人の発音は、音楽と相まって想像以上に心に迫り、一人で感動しっぱなしでした。ドイツ人がこの曲を大事にする理由がちょっとだけですがわかった気がしました。オーケストラもバイエルン放送響などで活躍ベテランの方から、まだ大学の院生で勉強している若者まで様々な人があつまっていたのですが、シュッツさんの人柄と集中力で、皆が良い時間と音楽を共有していたと思います。私自身もようやく「そうか!」とわかったことが沢山。先週の演奏会で師匠の言わんとしていることがわかった、と書きましたが、そのことによりオーケストラの中での吹き方も様変わり。いままでは?と思ってしまうほど彼らに溶け込みそしてアンサンブルができたのは、同じセクションの皆さんからの言葉やシュッツさんからの言葉でよくわかりました。こんなにいろいろなものをわかって(もちろん一部ですが)、共有して、そして何よりとてお穏やかにリラックスして演奏会の最初から最後まで吹いたのは初めてかもしれません。「集中する」ということがようやくはっきりと分かった気がします。ドイツに住み始めて8年ですが、ようやくここまでたどり着いたのかな、と感じています。

「音楽は生活の中心ではなく、音楽は生活の一部だ」

シェレンベルガー師匠のこの言葉をようやく心から理解できた、本当に感謝に堪えない思い出の演奏会になりました。ドイツ人、オーストリア人の皆さんにこの曲がどんな曲なのか、教えてもらえた気がします。


今月はバイエルン放送響×R.ムーティ氏の素晴らしいヴェルディのレクイエムのリハーサルと本番を聞くところから始まりましたが、昨日までのブラームスと言い、「レクイエム」というものが持つ力、そしてそれに対するこちらの方々の考え方や意味をとても感じることが出来ました。「心から心へ」というものが正にあてはまるものなのかもしれません。そして言葉・発音の力、そして和声の力、本当に本当に素晴らしい。全て改めて感じることが出来る日々でした。感謝!



今日から町はクリスマス一色です!
そんな中、事務作業をせっせとやる一週間・・・。
週末の演奏会まではひとまずお休みです。


*ホームページが新しくなりました!
藤井貴宏ホームページ


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