オーボエ奏者・藤井貴宏 オフィシャルブログ Grüß Gott aus Bayern!

音楽&ビールの街・ドイツはミュンヘンから、再びバイエルンの田舎にお引っ越し♪自然の中で生活しながら音楽や日々の話題を中心に掲載中です☆

Innere Kontflikte(内なる葛藤)




ふと目にした、ある人の日記、そしてそこに添付された動画。
日記は1941年から翌年に書かれた、12歳のユダヤチェコ人のもの。そして動画は1933年にナチスが誕生してから1945年の無条件降伏とニュルンベルク裁判までを今のドイツで起きていることと重ね合わせた、西部ドイツ放送協会(WDR)が作成したもの。


日記は平和だった日から絶望に変わっていく少女の様子。

そしてその当時をフィルムで振り返りながら、昨年の難民問題から顕著に起こり始めた西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者「Pegida」の動きや過去に起こった外国人排斥運動などのやり方・起きていることを、当時のナチスの様子と重ね合わせ、また戦時中の最中にミュンヘンで起きた「白いバラ」(数名の帰還兵等がポーランドの惨状を目にし、この戦いが到底受け入れられず、「全ドイツ人への訴え」としてビラを配り「反全体主義」を訴えたもの)をも重ね合わせ、その当時の間違った社会の進み方とその中で生きる正義の葛藤を振り返ります。一部の地域で行われるPegidaなどの活動の危うさを考えさせるフィルムです。


色々考えました。
ドイツの今の状況はもちろんですが、日本で今頻繁に起きている「いじめによる自殺」や「過労死、過労自殺」などについても同時に思うところがあります。「全体の流れに合わせる」、とても大事なことであるし、共存する意味ではなくてはならないこと。でも同時に「自分の考え」も大事にしなくては判断を誤る時があるというのもまた事実であると思うのです。「周りがそうだから・・・」だけでは罪を犯すこともあるということを肝に銘じなくてはいけないなと改めて考えさせられました。判断力と意見力、小さなころから身につける必要があると思います。



今年はチェコの作曲家パヴェル・ハースの組曲を初めて取り上げて色々な場所でプログラムにいれています。当時の彼の、そして世の中の不安を手に取るように感じることができ、葛藤から希望を見出そうとする力強い意志も聞いて取れます。この作品を通して葛藤や価値観をお客様と考えながら・感じる時間を持つこと、とても意味があるなと感じています。この作品の背景に迫るようなまさにダイレクトな記事と映像、大変貴重でした。




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