オーボエ奏者・藤井貴宏 オフィシャルブログ Grüß Gott aus Bayern!

音楽&ビールの街・ドイツはミュンヘンから、再びバイエルンの田舎にお引っ越し♪自然の中で生活しながら音楽や日々の話題を中心に掲載中です☆

Wieskirche und noch andere Sache


こんばんは、冷えに冷え切って帰ってきた藤井です。

昨日書きましたように、本日はバイエルン&ヨーロッパを代表する教会、ヴィースキルヒェでの演奏会でした。

感想は・・・



美しい!感動!寒い!(笑)


本日は観光気分で写真をご覧ください♪



ヴィースキルヘェのWiesはdie Wiese=牧草地、草原を意味しています。その名の通り丘の上にあるのですが

今は冬・・・





草原の代わりに一面真っ白な雪がお出迎え!

バイエルンの旗の水色=空、白=雪を象徴するかのような素晴らしい天気です!写真には取れませんでしたが

ドイツアルプスもくっきり、感動的な天気です、ヴァイオリンのアルヴェルトさんも「今日は素晴らしいね!」と

一般道を120kmで走りながら言っていました(@。@)。










こちら教会の反対側、そうそう、これです、この青!!!!!私この世にある色で一番好きなんです(笑)

残念ながらアジアにはないこの色。ヨーロッパにもなかなか無いといわれています。とはいえ、バイエルンでも

年に数日しかこの色はないと思います。






後ろを振り向けば一面の銀世界。はるか向こうにはドイツアルプス、





そしてこちらの先には有名なノイシュバンシュタイン城他があります。







いよいよ中に入ります!

わぁ!!!これがかの有名なヴィース教会の祭壇、圧倒されます。





こちらが天井画。虹に座っているのはキリスト(この時代から虹は七色に描かれているように見えました)、

そして門は天国の門です!私も将来、こちらの門を通過させていただきたいと願っております(^^;)






あまりにも美しいパイプオルガン。本日は使いませんでしたがいつか聞いてみたい!そしていつかこの

オルガンと演奏したいと思っています、その為に毎日お祈りしたいと思います♪







今回の演奏会で珍しいのはこちらのハックブレット。金属製の弦をばちで叩いて音を出します。今回は名手が

いらしていてそれはそれは素敵な音色を奏でてくださいました。





そしてもう一つはチター。箏に似た雰囲気なのですが、長さは短くてそして小さい。30本ほどのの伴奏用弦、

そして旋律用の何本かのギターのようなフレッドがついた弦が別々にはられています。今回の音楽監督

Hans Berger氏はこのチターのスーパー奏者!上手なのはあたりまえですが、弦をはじいているとは思えない

ほどのやわらかさと独特の時間の使い方、近くで聞いていてとっても勉強になります。







こちらの祭壇の下で演奏させていただきました。中央に見えるのが涙を流したといわれる杭を打たれる

救い主像。


響きは本当に美しく、和音が教会と調和します。

しかしあまりに寒いのでリハーサルでは皆の音程がさんざん!

「よく聞き合って!」とハンスさんちょっと焦り気味(^^;)ホントひどかったんです、みんなで。

だって気温2度です(笑)でも低くなっちゃいます、っていうのは理由としては受け入れられません。

(当たり前ですが)

それように少し高めのリードを用意して対処していきます。



和音が響かなければ最悪なほどに汚く響きます。

だからこそ「聞く」「聞き合う」ということがとても重要になるのです。

特にバイエルン音楽の合唱、また重唱のソロなどは完全な3度や5度の音程でヴィブラートを極力付けずに

響かせます。これが実に難しそう。でも決まり続けると美しすぎて鳥肌もの。いかに響きを覚えてそして聞きながら

歌うのか、これが一番重要だとある歌手が言っておりました。

そして出るタイミングや曲のテンポも目配せのみ。インテンポで曲が進むということはありません。

常に「ゆれ」があるのですが、それを指揮なしで合唱みんなでやるのです、すごい。


合唱、また楽器もそうですが、日本と何かが「違うな」と昔から感じていました。響き、そして合わせるという点で。

言葉かな?と思ったけど、そもそもの音程の取り方というか、合わせ方の根本が違うみたいです。


でも日本はチューナなどを使うことはもちろん、ピアノで音をとったりいろいろな工夫をしてこちらと同じことを

しています、いやそれ以上に努力している!技術も高い。



でも違う、やっぱり違う。



それは何か、やはり「聞く」ということを「全員」がしていることかもしれません。

当たり前かつ、簡単なように聞こえますが。本当に相手と「合わせる、調和させる」ということをしているようです。

「私音程あってるし」とか「私のほうが上手なんだからあわせてよ」と、言葉でいうわけではないけれど演奏で

主張してしまったら絶対に合わないな、と聞いていて本当に思いました。こちらのイメージって「強く主要する!」

という感じありませんか?私はあります。そしてそれは当たっているし、それがないとやっていけない(^^;)

でもそれだけだと嫌がられます。主張はしつつ、でも調和を常に持ち続ける。「見せつける」だけではどんなに

上手でも受け入れてもらえない、うん、当然、と思うけれど、ここまで調和されながら上手だと(@。@)な感じ

です(笑)でも気持ちよく、本当に素晴らしく響きます。音は言葉で書けないのでわかってもらえないのですが・・・

ある有名なドイツのヴァイオリン奏者が「音程は良心だから。良心のない人に音楽は絶対にできないし

するべきではない」

といわれたのがやっと肌ではっきりと実感。彼は常にそう言っていましたが、なるほど、その通りです。



ちなみに今回の合唱はアマチュアです。

日本のアマチュアの合唱もオーケストラも吹奏楽もこちらの団体より「上手」かもしれない。いや、上手。

でも・・・一番大事な「調和する」という面でははっきりいってまだまだ。チューナー云々ではないし、自分以外の

人のせいでもない、我々はもっともっと、もっと!感じながら謙虚に演奏しなければこちらの教会のような

本当に響く場所では演奏不可能だろうなということを痛感しました。機械に頼ってというのは最低限にして

聞きながら「相手」と調和させる、そう、面と面とを突き合わせて一緒に練習することをすることをしていくことが

大事。とはいえ機械よりあまりに高かったり低かったりでは困ります。技術を磨かなくてはいけないのです。

それがある程度できてからは、やはり「耳」です。


そして「合わせる」。

これは指揮に頼るべきではないのです。

合奏者の中で微妙なタイミングも含めて合わせるのです。

クラシック音楽は(古いバロックを除いて)は基本「インテンポ」というものがあるので多少その辺やりやすい、

しかし先に書いた用な今回のバイエルン音楽の独特なゆれまで加わるとすごい難しい。今回の合唱、オケで

唯一曲や歌を知らないのは私だけでした。仕方ないのですが、逆に勉強のしようもない。とにかく感じ聞きまくり

寄り添う、それが一番大切でした。でもそうすれば仲間に入れてもらえるのです。



楽家でなくても、小さなころからこういった教会で毎週ミサをアカペラでだれの指揮があるわけでもなく歌います。

昔書きましたが、このバイエルンの特に田舎はとてもミサに参加する人が多く、そして歌がとても上手。普段から

何気なくアカペラで毎週歌っていること、しかも教会で響く場所で歌うのですから合わないと気持ち悪いことも

皆さんご存知。それが根本に「文化」としてあるのが非常に大きいようにも思いました。だからこその「聞き合う!」

です。







本番、奇跡的に全員の音程がぴたりとあいました。

めちゃくちゃ寒かったのに・・・

皆が意識したのでしょう。昨日のミュンヘンの演奏会よりも格段に素晴らしい響きが出ていたように感じました。

お世話になっている劇場のヴァイオリン奏者も「不思議だね、寒かったのに今日のほうがよかった、Komisch!

=おもしろい」と。教会の力にも助けられたのでしょう、各々が、そしてお客様も耳を研ぎ澄ませて聞いているのが

よくわかりました。この教会の周りにはほとんど民家がありません。しかし教会には今日も満員のお客さま、

曲がすべて終わるとしばしの静寂、そしてピアノからフォルテッシモに拍手が鳴り響き、なぜか後ろから徐々に

スタンディングオベーションが!普通は前の人が立ってそれにつられて全員が、ということが多いのですが、

逆で全員総立ち、初めて見ました。というわけて素敵な第二アドヴェントの夜を過ごさせていただきました。








夜の写真、これは貴重ですよ〜♪

ほんの少しのライトアップですが、センスが良い!この教会の良さを存分に引き出していました。

思い出に残る一夜です(^0^)












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