オーボエのお話し
今晩はひたすらリードの夜でした。
リード、それは私が吹く「オーボエ」という楽器にはなくてはならないものです。
リードとは、、
簡単にいうと、葦(リード用に栽培されています)を薄くしたものを二枚重ねたもの。皆さんがご存知の草笛、
原理は全く一緒で葉っぱの代わりに葦を使っているわけです。
このリードがないとオーボエは音が出ません。リコーダーの一番上の部分だけでピーピーなりますよね?
あの部分が無いことになっていまうんです。
そしてリードは自分で作るわけですがこれが厄介!
小さくて薄いもの、しかも植物ですから「壊れやすい、すぐに変化しやすい、寿命がある」といった難点が
山積しています。例えばフルートやトランペットでしたらマウスピースと言われれ金属の発音体があります、
金属ですから半永久的、しかしリードは植物ですから・・・すごく良い物ができても寿命があります。
このリードをオーボエ奏者は皆どこかで時間を見つけて作っています。
自分のでないとやはり演奏もうまくいかない。
吹きごたえがある物、軽いもの、少し低めの音が出るもの、発音が容易な物などなど、人の性格がそれぞれ
あるようにリード一本一本によって全く同じように作ったとしても、2本として同じものは出来上がりません。
これが大変ともいえるし、ある意味人間らしさ、その日の自分が出るということも言えるでしょう。
オーボエの音が「人の声に一番近い楽器」と称されますが、このリードによるところが大きいと思います。
「大変」と思うから大変なわけであって今では「なるようになる」と思って半ば楽しんでやっています(笑)
今日は途中まで。また明日ここから先を作るのですが、こんな感じで何本も作ります。
この中で使えるのは(本番に)3〜4本あればいいほうでしょう。さてこの人たちはどんな子でしょう!?
今日はたまたま楽器が3本出ているので記念撮影(笑)
ん?なんか棒みたいなものが?そう思ったあなた素晴らしい♪
この写真の下二本はいわゆる「オーボエ」と呼ばれているもの。
そして一番上も「オーボエ」なのですが、今日では「バロックオーボエ」といわれているものです。
バロック時代、聞いたことあると思うのですが、そのバロックと同じです。今から350年ほど前に活躍していた
オーボエです。もちろんこれはコピーです。
姿も違えば音も違うし音程も違う。
一番簡単にわかるのは「キー」と呼ばれるボタンがあるかないか。
こちらモダンオーボエ。
そしてこちらバロックオーボエ。モダンオーボエと同じ部分を写していますがだいぶ違いますよね?
どうしてこんなに素朴だったものがギラギラと金属がたくさんくっついたかというと、一番は指がよく回るように、
そして不安定な音程をよりよく、操作・吹きやすいように時代じだいで工夫を続けた結果、今のオーボエに
なっていきました。
そしてリードもかなり違います。
バロック楽器(オーボエ以外も)はモダンの音程に比べて、約半音(ざっくりですが)低いです。
つまり我々の今よく耳にする、例えばピアノなどの「ド〜」と鳴っている音、この音と同じ音をバロックで
出そうとすると「ド♯(シャープ)」の音を吹いている状態になります。
写真の左がモダンオーボエ、右がバロックオーボエです。
今から5,6年前までは、これらの楽器を両方とも吹いていました。
しかしパロックがあまりに難しく、また音程の感覚がすぐに変わりきれなかったため、そして兵庫のオーケストラに
入ることが決まったためにしばらく封印してしまう結果になりました。
しかしこのバロックの響きは本当に豊かで美しいのです。
今日久しぶりに恩師である三宮先生と連絡を取りました。
この楽器を完璧に扱い素晴らしい音を奏でる尊敬する先生、大学の時からお世話になっていました。
メールをいただきその頃のことを思い出したら「今なら復活できるかも」と何故か思えてきて(笑)
もちろんたまに吹いてはいましたが、久々にしっかり練習をしてみたいと思っています。
せっかくなのでおまけの一枚。
左から
オーボエダモーレ
イングリッシュホルン
オーボエ
バロックオーボエ
このリード全部材料の大きさも違うし厚さも違うし。。。それぞれ全て専用の材料があります。
なんて大変!!いや、楽しいんでしょう(^^;)(笑)
ブログランキングに参加中☆よろしかったら今日もこちらへ→ワンクリックして投票していただけたらと思います。よろしくお願いします
こちらもよろしくお願い致します☆(下の文字をクリックしていただくとホームページに飛びます)
藤井貴宏公式ホームページ
公式ホームページ