オーボエ奏者・藤井貴宏 オフィシャルブログ Grüß Gott aus Bayern!

音楽&ビールの街・ドイツはミュンヘンから、再びバイエルンの田舎にお引っ越し♪自然の中で生活しながら音楽や日々の話題を中心に掲載中です☆

石巻

先月13日に宮城県石巻にあるN`s Squerさんで震災の復興を祈る演奏会をさせていただきました。会場になったN`s Squerさん、津波の直接の被害はなかったもののいわゆる「地震の通り道」の真上にあったがために、会場は壁が落ち窓がわれ、グランドピアノはステージから落ちるという、当時はそれはそれはびっくりする様子だったそうです。お伺いした時は、オーナーさんの必死の復旧作業によりすでにきれいになっていたのですが、隣にあるご自宅は屋根瓦が落ちたまま、窓にいたってはまだブルーシートのみに補強ということで生々しい状況を見て取る事が出来ました。

「あそこに見える高校はまだ100人くらいの人が被災して非難しているんですよ」とオーナーさん、一見何気ない普通の風景にそのような事実が存在することだけでも言葉につまるものがありました、だって4ヶ月もたっているのですから。。。

「演奏で少しでも何かの役にたてればと思うのですが、もしよければ何があったのか当時の話、よかったらお聞かせいただけますか?演奏を各地でするものとして少しでもその声をお伝えできればと思うんです」とおはなしすると「藤井さん、それならぜひ実際みてもらったほうがいいよ、車出すからさ行きましょう」とのこと。演奏会までの短い時間の中、被害のひどかった地区2つに連れて行っていただきました。









こちらの写真、昨日少し書きました、大川小学校の写真です。
北上川に沿って広がる地区で、田園地帯に郵便局やスーパー、もちろん住宅などが立ち並ぶそれはそれは素敵な住み良い自慢の地区だったそうです。それが・・・本当に何もないんです。原型をとどめているのは小学校と中学校だけ、あとはほとんどが流されどこに何があったかなど、初めて訪れた私にはわかりませんでした。とても天気の良い夕方に訪れたのですが、人といえば国交省の職員の現地調査のバスと私たちだけ。とても静かで心地よい風が吹き・・・でもとっても寂しい雰囲気、川なのに地区にいまだに残っている大量の海水の匂いが漂い、足元には大量の海の砂、本当に異常な雰囲気がしました。涙が出るというより、あまりに信じられない様子で言葉になりませんでした。上の写真の右手に献花台が設けられていました。昔の大川小学校を中心とする写真が飾られ、津波で流されたあとに見つかったと思われるメロディオンや遊具、勉強道具・・・さまざまなものが置かれていました。ここでどれだけ悲惨なことが起きたのか・・・。この大川地区、何が信じられないかといえば何と河口から8,9kmもさかのぼったところにあるのです。立派な堤防があったにもかかわらず全て壊され、この地区が全滅に近い状態になったのです。「まさか」というのが正直なところだったと思います。今日のとある朝刊に大川小学校の生徒の当時の証言というのが載っていました・・・言葉になりません。昨日はワイドショーで「なんとか元に戻そうと頑張ろうと思ったけど、やっぱり無理かも」といった元住民の声を紹介していました。復興、がさけばれていますが、当地ではそんなことを思い描けないところがほとんどのようです。








私たちには何が出来るのでしょうか。
何をするべきなのでしょうか。

私なりに思うこと。
それは少ない金額でも少しずつ2年3年と続けて募金をし続ける。
何ができるるわけではないけれども、いつもこのことを忘れないこと、そして当地の事を知ること。
われわれはつらい事があっても文句やネガティブなことを言わないこと。元気で居られることに感謝をし、競争をすること、人より上に立つという気持ちより仲間を大切にして調和する事にもっともっと意識を向けること。
そして生きていることにひたすら感謝すること。

ここまでの災害、私達はもう一度生き方に対して考えるべきではないでしょうか。
これだけ沢山のあまりにつらすぎる、尊い命を失いました。今こそ根本的な「隣人がいるから生きていける」ということを考え直すべきなのではないのでしょうか。

無念、無情としかいいようのない亡くなった大川小学校の子供たち、そして全ての犠牲者の皆様を弔うためにも、私自身毎日を全てのことに感謝しながら生きていきたい、演奏していきたいと思っています。

また明日、続きを書きたいと思います。




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