オーボエ奏者・藤井貴宏 オフィシャルブログ Grüß Gott aus Bayern!

音楽&ビールの街・ドイツはミュンヘンから、再びバイエルンの田舎にお引っ越し♪自然の中で生活しながら音楽や日々の話題を中心に掲載中です☆

まだまだ腰が・・・&ドイツ6日目

今日は午前中ものすごい雨で雷で・・・思わず耳栓装着・・・・だってものすごい音だったんですよ(*。*)しかも腰が痛くて起き上がれないから昼まで寝てました(−。−)約3か月ぶりの休み。少しゆっくりしたいなと思います。
午後は来月・長野でのオーボエ二重奏の研究。モーツァルトのオペラ作品をオーボエ二本でやってしまします☆これが実に興味深い。勉強するととても奥深いんです。どこまで「楽しんで」もらえるか、がんばります♪

今日はドイツ5日目の日記。どんどん濃くなります・・・

9月13日・ザハランク

結局朝目が覚めても、まだモーリス・ブルグ氏の昨日の印象が頭から離れない。朝からどきどきそわそわ、次なるレッスンがいつ、そしてどんなレッスンになるのか、ある意味恐れおののいて朝ごはんを食べる・・・。部屋に戻ると早速向かいの部屋のオランダ人の彼女が練習している。今回のマスタークラス、自分にとって初めての海外での経験、一体どのくらいのレベルでそもそも皆何者かよくわからない。。。聞いてみれば、非常に良いレベルだとハンスが言っていた。ほとんどがオケのプレーヤーもしくはプロとして活躍している人で、学生はほんのわずか、確かにみな「筋・芯」をしっかり持った人たちだ。そしてみんな当たり前だけど超インターナショナル、英語は当たり前でそれ以外に何かみんなしゃべれる。ドイツ語やっててよかったわ(^^;)ドイツ語については5月にハンスにあった時に比べたら「ものすごく上達してるし、会話もちゃんとできてるよ、全然OK。事実僕はドイツ語でずっとしゃべってそれで会話できているじゃなか」だと。。。確かに知らず知らずの間にだいぶ喋れてる。素敵なことだわ。でもハンスは本当にすごい、ドイツ語のほかにイタリア・フランス・英語は完璧。そこにスペイン語。見習わなくては。。。さて、10時にハンスの家で皆集合。明日からのレッスン予定が組まれていく。そして今日のミサでの練習が5時からということが確認され、ハイドン以外に演奏されるアンサンブルの練習が始まる。自分はソロを吹くので遠慮したわけ・・・だがその瞬間、ブルグ氏「タカヒロ、昨日の続きをレッスンしようじゃないか」と(*。*)えええええ、きょ、今日もですか??は、は、はぁもちろん喜んで、、ってまともに音出ししてないのにいきなりクープラン。今日もたくさんのオーボイストに囲まれレッスンスタート。最初のトリルの入れ方、息のスピード、指の速さ、いきなりまたカルチャーショック。。。わかってはいたけどやはり今日もとてつもない。。。「11番のコンセールなんてメチャクチャオーナメント(装飾)を入れるのが難しいんだから」といって聞かせてくれた。。。すごい。。。。それしか言えません。音楽的にそして美しい。。この「センス」をぜひ取り入れたい、習得したい。そして次の楽章でも装飾とスピードが問題となる。そして考えもしなかった音符のとらえ方、素晴らしい。「フランス語はこうだろ?」と言われ、フランス語ぜったい勉強してやる、、、と思いあっという間の1時間が過ぎる。次はトルコ人でトルコのナショナルオケのソロオオーボエ。とても太い音で美音。彼が立候補して短いレッスンを受けた。曲はテレマンのe mollのコンチェルト一楽章。話題は確実なテンポについて。たしかにブルグ氏は完璧なテンポだ。。。んん、メトロノーム。。。。です。すごい。そのレッスンが終わり、ご飯だね、と喜んでいたら、ハンスが入ってきて「タカヒロ、じゃぁR・シュトラウスのレッスンを30分だけでも2階でしよう」と。。。うわ〜〜完全な「狙い撃ち」状態です。。いくらあたし早く帰るからってもう5回目のレッスン(:。:)ありがたいのですが。。。2階に上がるとたくさんのハープ、そして・・・あっ、そうか奥さまはハーピストでした。CDも出てますよね。美男・美女の写真が何枚も部屋に飾ってあってそれはそれは素敵です。そしてレッスン開始。またどこからともなくギャラリーが現れます。「譜面台ないから暗譜でいこう」って、暗譜してなきゃいけないんだろうけど、こっちきてまだ練習してないし、、、あわわ。。。でもなんとか吹き続けると「循環呼吸は使ってはいけない」「和声のとらえ方」「カデンツァの持っていき方」等など、正直今まで受けてきたレッスンではま逆のことを言われた内容や、間違いを指摘される。。。説明を聞くと確かに。。。とそこに「Pardon」と笑顔でな、なんとブルグ氏が現れたのです。。。そして目の前どっかり座って、、、聞いてる(*。*)わわわわわわ。。。。緊張するわ。。。。。。。
そして息の流し方をとことんレッスン、2楽章でもそれが続く。でも「あ、そうやって吹けば自然になるのか」ということが沢山わかってびっくり。そしていつの間にやら1時間。。。痺れを切らしたのか奥様が「ご飯にいましょうよ」って(笑)「そしたら今日は残念だけど明日やろう」って明日も?????蜂の巣状態になってきた(:。:)すごいことだけど。昼会場に行くと数名の受講者とブルグ氏、ハンス家族。早速みなさまお昼からビールやらワインやら(^^;)すごいなぁ。。とにかく仲のいい巨匠2人、なんだか微笑ましいくらい。そして部屋に戻りひたすら装飾をメトロノームで練習。5時からはリハーサルが順調に行われ、本番少し前に、フランス語組に「お茶に行かない?」と誘われ行くと、、、あららブルグ氏、白ワインをまた飲んでます。あんなにきつい曲をあと10分後に吹くというのに。。。



そして本番。それはそれは幸せな時間でした。ブルグ氏の隣で一緒にソロを吹きハンスが指揮を振る。あぁなんて幸せ者なんでしょう。。。レッスンがなかったのでは、と思うくらい音楽に集中できた素晴らしい時間でした。



そしてミサの後は歌のクラスとオーボエクラスみんなでの打ち上げの始まりです♪がこれまたなぜかすごい席で、同じテーブルには今回、唯一、でももうパリに9年いるという同い年の日本生まれのあんりちゃんと・・・ブルグ氏とハンス(:。:)


うっわ、この席VIPなのになぜ、、、。ブルグ氏に「もちろんワインだよね」と言われ「ウィ」と。とここで事実を聞かされたんです。というのもあんりちゃんはフランス語もちろんペラペラだから、ブルグ氏と昨日もさんざん話をしたとのこと。こんなことを氏がおっしゃっていたと。「あの日本人はすごい、って誉めまくってたんだよ、しかもシェレンベルガーから、いい日本人がいるんだ、レッスンをたくさんしてやってくれって頼まれたんだって。クープランをあそこまで独学で。しかも、日本だけで勉強したとは思えない語学と耐える力、吸収しようとする努力、すごいよ、ってべた褒めしてたんだよ」って教えてくれたのです・・・・。嘘と思えるほど信じられないことだったけど、でもやっぱり素直にうれしい気持ちになって、ついに直接ブルグ氏に言ったのです、「実は昨日の夜はあなたのレッスンが良い意味であまりにショックで眠れなかったんだ、本当に感動というかなんというか。オケをやめて勉強するためにドイツに来ようと決心したのが本当に成功だと思っている。あなたがジュネーブで教えるのがもう終わってしまうのはしっているけど、なんとかプライベートでたくさんの曲をみてもらえないだろうか?」と。答えは・・・「もちろん、喜んで。来なさい。ただ一つ、メトロノーム全音符・二分音符・四分音符・八分音符・十六分音符の関係をうまくバランスを取る練習をしなさい。そうしたらあなたは多くの点でとても助けられるはずだ」と。そしてハンスが加えて「同じパッセージを繰り返す練習をしてみたらどうか、重心がわかるはずだ」そしてブルグ氏「そしてスタッカートを毎日練習しなさい。もしリミットが120なら90くらいで余裕に吹けるはずだ。僕も昔は110が限界だった、けれど3か月毎日メソードをやったら152になり、3連符で192までになったんだ。必ずできる、明日教えてあげるから毎日やることを約束しなさい」と眼光鋭く言われたのです、ハンスも「タカヒロはスタッカートをやったら本当によくなるよ」と付け加えたのです。確かに、うまくないタンギング。。。でもここまで本気に2人から語られそして認めてもらえたのですから、それはもちろん練習するしかありません。「Sonyのコンクールも受けなさい」と。頑張るしかありません。あんりちゃんがいるおかげでブルグ氏が言う内容を正確に理解できたので本当によかった。本当に幸せなことです。


(ハンスの愛犬と大の仲良しなモーリス氏)
歌の人たちにも「Oh.our good friend,please sit down」ととても好意的にしかも親切にしてもらってこれまた大きな感動を受けました。こうして外国の人たちといつの間にか対等に話がおじけずかずにできるのも、ハンスに言わせると「日本人らしくない」そうです。。。よい意味なのかな?とにかく楽しい打ち上げでした☆明日からはようやく「公式に」マスタークラスが始まります。皆のオーボエを聞くのが本当に本当に楽しみです。とにかく幸せをいっぱい感じた一日でした。



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