オーボエ奏者・藤井貴宏 オフィシャルブログ Grüß Gott aus Bayern!

音楽&ビールの街・ドイツはミュンヘンから、再びバイエルンの田舎にお引っ越し♪自然の中で生活しながら音楽や日々の話題を中心に掲載中です☆

ベートヴェン

明日、明後日はベートーヴェンチクルス最後の大曲「ミサソレムニス」です。
この曲はベートーヴェンが1823年に完成させた晩年の大曲でOp.123という作品番号が示すとおり最晩年の曲にあたります。おそらく耳がまったく聞こえなくなっていた中で80分ににも及ぶ大曲を作ったベートーヴェン。しかしそれまでにはあまり見られないような、一瞬「あれ??」と思うような和音を使ってみたり、セカンドオーボエを重要な箇所に当ててみたりと、ずいぶん変わった点が多いのにも驚かされるのです。


おもしろいことに、同時期には有名な第9交響曲作曲されているのですが、主にホモフォニー(同時に鳴る音がひとつでないに、旋律がひとつしかないこと)で書かれているのに対し、ミサ・ソレムニスはポリフォニー(、複数の異なる動きの声部が協和しあいながら進行する音楽のこと)な表現が主に使われています。同じ時期に作ったのに・・・聞き比べると素人耳にもずいぶん変わって聞こえますよ

曲は5つの部分から成り立つのですがその一番最初、「キリエ」の冒頭に「心から出で−願わくば再び−心に向かうよう」にという意味の言葉が歌われ、最後の曲「アニュス・デイ」では戦争を思い起こさせるような軍隊調の部分や「内外の平和を願って・・・」とのベートーヴェン自身による指示があります。もしかしたら、ベートーヴェンは心の平和=外的な平和を重ね合わせて、それを願ってこのミサを作曲していたのかも、と考えると今に通ずる精神を感じたりします。。。

世の中、本当に不幸なことが沢山ありすぎてなんだかニュースを観ているとへこんでしまします。自分に何が出来るわけではありませんが、明日はせめて色々なことに対して祈りをささげながら演奏できたらと思います

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