オーボエ奏者・藤井貴宏 オフィシャルブログ Grüß Gott aus Bayern!

音楽&ビールの街・ドイツはミュンヘンから、再びバイエルンの田舎にお引っ越し♪自然の中で生活しながら音楽や日々の話題を中心に掲載中です☆

ご飯会&ドイツ9日目

昨晩はお世話になっている「藤村カイロプラクティック」の先生お二人をご招待して、お食事会をしました♪いつも自分の体のメンテナンスをしてくださる先生、今日は焼酎を飲みながら(^^;)一生懸命作らせていただきました☆アジのカルパッチョ、牛肉のタタキサラダ、オニオンスープ、茄子とトマトのパスタ、そしてカルボナーラ。きれいに全部食べていただいてうれしい限り(^^)御飯を作るのは本当に気分転換になります、特にお客様に作らせていただくのは何とも良い時間です♪


そして・・・焼酎好きな私と同い年の先生約1名の2人で飲みに飲んで気づいたら随分な量を(*。*)かなり楽しい雰囲気になっていて、久々の大宴会となりました☆


ドイツ日記9日目
9月16日・ザハランク

濃密すぎて、短いはずの期間がとてもとても長く感じたこの1週間も今日が最後。朝、香港人でロンドンで勉強している彼とギリシァから来ている女の子と3人でバッハのカンタータを演奏するにあたって「歌とオーケストラのバランスはどんな具合がいいか」というコアな話題について話し合う。それぞれの国の状況・習慣があまりに違うようで非常に興味深い話し合いになった。そして部屋に戻り、ブルグ氏と約束している「タンギング」の練習をひたすらし、そして今日もハンスのレッスンがあるかもしれないのでモーツァルトをさらってみる。確かに「息の速さ」を鍛えるだけで全然モーツァルトが吹けるようになるので驚く。。数時間の練習後、レッスン会場に向かう。するとハンスのクラスではチェコのオケプレーヤーがツィンマーマンのレッスンを受けるところだった。


この難曲、自分はさらったことがないので難しさはわからないけど、聞いているだけでとにかく難しそう(*。:)いくつかのコンクールで入賞しているだけあって素晴らしいテクニック、ますます練習する気力が湧くのです、これから時間が沢山あるわけで、マルティヌーやベリオといった曲からブルグのタンギングの練習までやることが沢山。これだけ目標が沢山出来たのである意味かなり「ポジティブシンキング」なわけです。ブルグ氏が「僕の一番の宝物、秘密は常にポジティブなことなんだよ」と。。。。素晴らしい言葉です。レッスンの時は厳しいマエストロ、でも一度レッスン会場を離れると「愉快な」おじさん、歌って踊って。。。なんて「チャーミング」なんでしょうか。69歳とはとてもじゃないけど思えないわけです。今日のお昼は再びブルグ氏と。と食堂に行くとハンスが。。。「今日はなんのレッスンをするかい?」とすかさず質問(汗)「えっと・・・せっかくなのでモーツァルトを。。。そして素晴らしいピアニストケーネン氏がいらっしゃるのでできれば彼と一度シューマンの3つのロマンスをやってみたいのですが」と言うとケーネン氏が「喜んで、やりましょう」ということで、今日のレッスンが決定(*。*)そしてトルコの2人が「じゃぁレッスンが終わったら僕らと何かアンサンブルをしてくれよ」と。。午後も大変そう。。。しっかり大きなピザをたいらげ、再びレッスン会場へ。。。が誰もいない。。。そうか、レッスンはまだあとなんだ、と思ってゆっくり食休みをしていると、下から足音が・・・「おぉタカヒロ、ちょうどいい、早速レッスンしよう」とハンスとケーネン氏がきてしまったのです(焦)そしてほかの生徒があとからぞろぞろやってきて、お腹いっぱいのままレッスン開始。。。でも強くなったよな、自分、と感心するのです、昔だったら準備してないとあわあわしていたのに、今やこういう状況でも全く問題なくやれるようになってきたのですから。モーツァルトのレッスンが始まる、まず暗譜で最後まで通し。そして今まで他の人のモーツァルトの時にはそこまで突っ込まなかった歌い方をとこん要求してくるのです。。。なんなんだろうか、かなり気合が入ってしかも厳しい。ドイツ語ばりばりで責められます。でも不思議と前向きに立ち向かえるわけです。。そして「じゃぁシューマンやろう」と言った時にはすでに既定の1時間がすぎていたのですが続行・・・素晴らしい伴奏に感動しながらへろへろにながら吹くと「なんでもっと主張しないんだ?もっとできるはずだろう?一回全部吹いてみせる」と今回のレッスンで誰にも通してないのにいきなり本気モードで通すのです。。演奏会・・・CDのまま。。。さすがにこの状況をみている皆も目を丸くして聞き入る・・・。吹き終わると「わかったか?もう一度おなかの支えをしっかりして、そして僕が教えたことを表現してみろ」と言うのです。「はい」と答えて終了。かと思ったら「さぁもう一度聞かせてくれ」と。。。。。ケーネン氏もやる気まんまん。。。やらざるをえません・・・。厳しい目で凝視されながら吹き終わると「全然いいじゃないか、頼むから忘れないでくれ、サポートとリラックスを忘れなかったらもっともっとうまくなるんだから。次は11月に日本でしっかりやろう、今回はとても楽しかったよ、ありがとう」という会話をして、ハンスのレッスンが終了。本気で面倒見てくれるつもりなんだとよくわかったわけです、ええ、もちろんしっかりやりますから(><)レッスン後はトルコ・イズミルオーケストラの2人とゼレンカの4番を所見で吹きまくる。2人ともすごい息の圧力、体力が並じゃない(*。:)3回連続全楽章を通しまくる。。。楽しいひと時、こんなのもマスタークラスならでは。


(イズミルオーボエ奏者と)
「またヨーロッパに来たら何か一緒にやろう」と言ってくれた彼ら。聞けばも40歳、そんなベテランにそう言ってもらえてこれまたしあわせです(^^)宿に戻り再び練習。あすドイツから帰り成田についたら明後日は松山に飛んでコンチェルトがあるわけです、、、練習練習。。。吹きまくってお風呂に入りながら「今回は本当にきてよかったな」としみじみ感動しながら、お風呂あがりもぼーっとして寝ようかなと。。。でもブルグ氏にお別れの挨拶をしていないのがどうしても気になるのでいないと思いつつレッスン会場へ。。。すると、日本人のあんりちゃんのレッスンをまだしていたんです(*。*)彼の今日のレッスン時間はもう10時間。。。なんてすごいんでしょう、最後まで熱心に。。。すると「もうご飯食べちゃった?」と突然ふられて「いや、まだです」と答えると「素晴らしい、じゃあ行こう」と連日のマエストロの食事会となりました。すると今回の受講生でオケに入っている人たちが集まって楽しい「フランス語」大会に(^^;)一人だけわからないわけですが、あんりちゃんのおかげで通訳兼会話ができるので助かります。話題は「動物の鳴き声をどう表現するか」)(^^;)音楽家の話なんてこんなものなんです(笑)あぅと言う間に2時間が過ぎいよいよマエストロとお別れ。。。「ぜひヨーロッパに来たらプライベートで教えてください」と再び頼むと「名前はしっかり覚えているから来る前に電話しなさい」と。。。ありがたいお言葉です(涙)彼からいただいたパワーを糧に頑張るしかありません(^^)なんてすばらしいマスタークラスなんでしょう。。


最後までいられないのは残念でしたが、他の受講生より圧倒的に多い8回の貴重なレッスンが受けられたわけです。28歳になったけど、まだまだこれからがのびるんだ、ということを確信した一週間。うきうきしながら日本に帰ることができそうです(^^)